このブログにも何度か登場し、著書も紹介している、向精神薬の断薬や不安症の治療で有名なH先生の診察を受けてきました。
診察の結論から言うと、
断薬はできません!
とH先生。
え!??
どういうこと??
そもそも、なんで今H先生の診察を受けたか。
これまでは、もう7年も診察していただき、親身に適切なアドバイスをくれた主治医のM先生を信頼していたため、セカンドオピニオンに二の足を踏んでいました。
複数のチャンネルから情報を得ることで、混乱してしまうのではないかという不安もありました。
しかし、繰り返す神経過敏からくる不安という同じパターン。
わたしは、ぐっち劇場の37話目を、これまでと違うエピソードにしたいのです!
また、M先生は、処方薬の調整には関心が薄く、患者任せになりがちです(ハルシオンを漫然と5年飲みました)。
加えて、これまで何度も神経過敏を訴えてきましたが(そもそも最初の発症がそうだった)、とられたのは抗不安薬の処方という対処療法。
この神経過敏が何者なのかは分からないままでした。
また、サインバルタの断薬を試みて悪化、レクサプロの断薬を試みて悪化を繰り返したことから、ついにH先生の話も、聞くだけ聞いてみることにしました。
実は、ちょうどH先生は今年独立し、銀座に開業されました。
診察がより身近になり、気になってました。
今回のH先生の診察は、セカンドオピニオン扱いですから、保険外、約30分で20,000円です( ;∀;)
でも、そこじゃねーんだ、いまのわたしは(о´∀`о)
お金を理由に「いつか」を「いつか」のままにしておかない。
自分で「今」にしないと、「いつか」は「いつか」のまま。
来世になっても。
多分ね。
ちなみに、「これを買わないと不幸になる、愛されない、仲間はずれにされる」というお金の使い方は、不安ベースなので別の話です。
「H先生の診察を体験してみたいじゃん!」という動機だったから、20,000円払うことにしたんです。
さて、病院に着くと、かなり細かい問診票を書きました。
例えば、何に不安や恐怖を感じるか。
多分100項目くらいあったでしょうか。血とか、怒鳴り声、自動車、ねずみなどなど。
それぞれの不安の程度に丸をつけていきます。
他には、今週の出来事や服薬状況、今の気分などについて書いたと思います。
これは、今通院している病院ではなかったことです。問診票は1枚でした。
そして、H先生の診察です。
わたしはこれまでの治療の経緯をまとめたメモも持って行っていたので、そのメモや問診票を見ながら、H先生から質問が続きます。
とてもユニークなのは、質問で明らかになったことを、その場でH先生がパソコンでわたしにも見えるように資料化していきます。
ちゃんとその資料は最後に印刷してくれます。
おーアカウンタビリティー!!笑
おかげで、お互いの認識の食い違いが生まれにくいです。
これはかなりすごいことです!
まず、わたしがこの病院にきたゴールを聞かれました。
どうなりたいの?と。
これも新鮮。
H先生は、ゴールを決めて、そこに向けて治療計画を立てる、という方針のようです。
見通しが立つ分、安心感があります。
いまの主治医のM先生の方針は、「究極的な再発予防はリアルタムに起きたことに対処していくこと」でした。
計画通りにいかない不安感が起きにくい一方、見通しが立たない不安定感は常に付きまといます。
でも、どちらが正しいという問題ではないと思います。
わたしの気質、症状や状況によって、適切な治療も変わってくるというでしょう。
答えは自分の中に。
患者自体が主体性を持つことが、とても大切です。
H先生が特にこだわって質問してきたのは、
どういう性質の不安か?
という点でした。
パソコンで検索した不安や恐怖の表情画像を見せて、どれが近い?と聞かれたりしました。
悲しさでもない、苦しさでもない・・・。
そうやって掘り下げてみると、わたしの「不安」は、「嫌な感じ」「恐怖」に近いものであるようでした。
そしてもう一つ、どういった状況か?何に不安を感じるか?
についても詳しく聞かれました。
パソコンで検索したおばけやグロテスクな画像も見せられましたが、わたしが悩んでいる「不安」とは違います。
わたしが感じるのは、電話のベル、テレビなどの電子音、会話の声などです。
ここで改めて、最初に書いた不安や恐怖を感じる問診を見て、発症時の状況も振り返り、H先生の結論がでました。
・確かに一時はうつ状態だった時期もあるようだが、現在は落ち着いている。
・しかし、同じタイプの薬を服薬し、似たような症状を繰り返している。
・不安の性質や不安が発生する状況を整理すると、あなたが不安を感じるものと感じないものは明確に分かれている。
・Hの考えでは、現在の症状は、怒鳴り声や、ケンカなどに弱いあなたの生得的な気質が、職場での強いストレス(電話でのクレームなど)で強化され、それが関連のある特定の刺激と結びついた「条件性情動反応(特定の恐怖症)」というものであり、うつ、適応障害、自律神経失調症ではない。
・梅干しをみると唾がでるようなものだ。
・その証拠に、不安を呼び起こす刺激は仕事(電話、携帯着信、人の声など)と関連したものに限られている。また、それらに生まれた時から反応しているわけでもない。
・人との会話に不安を感じないということは、窓口でのクレーム対応は少なかったのではないか?←確かにそのとおりでした。
・本当の神経過敏であれば、人の舌打ち音や、上階の人の足音すら耐えられない人もいるが、あなたはそうではない。
・その場合、根本的な「条件性情動反応」を改善しない限り、薬を減らしても同様の反応がでることになり、仕事をやるからにはそれまでは適切に服薬していくことが望ましい。
・まず断薬ありきではない。
・当院が行う場合の治療としては、服薬を続けつつ、特定の刺激や、クレイマー等に慣れるエクスポージャーというカウンセリングを行っていく。
↑ただ、このエクスポージャーって保険外なんだって!なんで?
・そして服薬なしで、さらに上記の状況を繰り返していく。
条件性情動反応!!!
これだったのか!神経過敏の正体は!!!
最初に断薬ができない、と書いたのは、そういうことでした。
断薬の前に、情動反応の治療が必要ですよ、ということだったのです。
はたしてこの治療でどうなるのか。
本当に条件性情動反応なのか。
試さない限りは分かりません。
でも、服薬治療、問診による認知への介入は、これまで十分に繰り返していきました。
そろそろ、別のエピソードにするか。
どれ、いっちょそのエクスポージャーってやつを試してみるかい。
と、人生の監督のわたしは思いました。
わたしは、7年通院した転院を決めました。
M先生にも言いましたよ。
別のアプローチの治療を試してみたいって。
合わなければまた来ますって。
これ、けっこう大きな変化です。
いままでの治療やこれからの治療を考え出すと、頭が騒がしくなってきます。
でも、この治療は治療として、治療のその瞬間瞬間に集中してやればいい話で、普段から考える必要はまったくありません。
この治療も自分の一部としてジャッジせず、わたしは自分の心が動き満たされること、アンテナ向く方向、正当にエネルギーを使うべきところにエネルギーを使うことを大事にしていくつもりです。
ぐっち