こんにちは。ケトラーです。
妻から興味深い記事を教えてもらいました。
いま日本では、頭打ちの経済成長、減らない国の借金、超高齢化、少子化といったなかで、働き方改革が政治の注目課題として叫ばれるようになってきました。
その見当違いぶり、中途半端さは以前記事にしましたが、わたしには「ではどうする?」という具体的なビジョンが見えなかったため、もどかしい思いを抱えていました。
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その思いに大切な示唆を与えてくれたのが、デンマークに根付くヒュッゲという文化です。
ヒュッゲとは、
心地よい時間を過ごすこと。
これを幸福という価値の最上位に位置づけたデンマークでは、様々な制度にこの発想を息づかせています。
多分、日本の場合は建前は別として、本音は
所得向上
ですよね。
前にも書いた通り、働き方改革も、心地よい時間を作るためではなくて、生産性を上げて外国に対抗できるようにするため。
って、富国強兵ですか・・・。
いつまで150年前の明治精神でいるんですか。
例えば教育。
人間は機械のように成長するのではなく、立ち止まり、行きつ戻りつしながら成長していく。
言葉にすると当たり前ですが、日本の教育システムはそうなってないですよね。
余白の一切ない制度に、小1プロブレムなどの課題が分かっても、場当たり的な対応しかしません。
浪人だって、やってることは受験勉強です。
一方でデンマーク。
学校が始まる前は0年生といって、
みんなが勉強をする「準備期間」を設けて、その時に基本的な文字や数字などに慣れる期間があるそうです。そして9年生までは必ず通うのですが、10年生に行くか行かないかは、子供が決めるそうです。
自分には必要ないと思えば、10年生には上がらず、それをモラトリアム期間として、
頭を休めたり、他の好きな事を学ぶ時間にしたりします。自分が将来なりたいもののために、もう少し勉強が必要だ、と思えば10年生に上がります。
高校3年間が終わると、またモラトリアム期間として1年間の猶予期間があります。
そこで、例えばバックパッカーとして旅をしたり、趣味に費やしたり、それぞれの時間を過ごします。企業などは採用の際、
このモラトリアム期間に何をしていたかを重要視していて、ただ勉強だけをしていた人は採用されないそうです。それは勉強だけが優秀でも、
人間性や社会性、柔軟性、コミュニケーションなどが
仕事において重要だということを企業側も知っているからです。
モラトリアム期間!!
この発想がありましたか。
日本の場合、自分と向き合う時間もないまま、勉強、部活、習い事に追われて、急に就職活動で社会人としての自覚を問われます。
それまで散々一般教養を叩き込んできたくせに。
日本でもぜひ採用してほしい制度です。
企業もこの期間を重視するようになれば、教育や企業風土の息苦しい縄を解くことができるかもしれません。
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さらに幼児段階では、
先生たちは、喧嘩になる事を仲裁もせず、
基本的に見守るだけ。命に関わる事がなければ止める事をしません。何かあるなら大きな子供が手助けをします。
他にも、日本では一人ぼっちで遊んでいる子供がいたら、
大人が、「一緒に仲間に入れてもらおうか?」と促したりする場面も良く見る光景ですが、森のようちえんでは、それも余計な事をしません。一人ぼっちでいるときは、子供は妄想している時間と捉えています。
その妄想する事が、自分で創造する力を育てるという事を知っているからです。
妄想が終わると、自然とみんなの輪の中に戻っていくそうです。とにかく、大人が余計な事をしない。
自分で決めさせる力をつけるというのがとても印象的でした。
あれがダメ、これがダメと、ダメベースで行動が制約される日本とは真逆です。
わたしの実体験ともシンクロします。
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兵隊を育てているのではないのですから、大人になるって自分で決める、自分を生き生きとさせることに自分自身で責任を持つということだと思います。
その時、どちらの時間が力を発揮するでしょう。
学校でテスト勉強に明け暮れた時間?
良質な失敗を経験した時間?
日本とは発想の前提が大きく異なります。
それでも、経済成長を目指しますか。
ちなみに、デンマークの労働時間は一日平均6時間程度だそうです。
朝6時〜14時、朝8時〜15時などで、金曜は半日、というのが一般的。
ちなみに日本の今の勤務形態というのは、
デンマークの100年前と同じ状態!
どちらをイメージするかは、わたしたち自身が決めることです。