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【認知療法】ネガティブ思考を変えたいと思ってる皆さん!ネガティブ思考は生理現象で、おしっこと同じです

こんにちは!

ketoraaaです。

前回は、認知療法が、ネガティブな感情を引き起こす物事の見方にアプローチして、バランスの取れた思考を養う技法であることをお話ししました。

この気分を引き起こす「物事の見方」を、認知療法では「認知」と呼びます。

それで。認知療法と言うんですね。

例えば、仕事でミスして、上司に怒られて悲しくなったとします。

私たちは、それらを一体として捉え、仕事で上司に怒られたから悲しくなったと考えます。

ですが、認知療法では、「仕事でミスして上司に怒られた」と「悲しさ」の間には、「その物事をどう捉えたか(認知)」という「物事の見方」があると考えます。

その認知の仕方によって、同じ状況でもまったく別の気分が起きてくる場合もあるのです。

例えば、「仕事でミスして上司に怒られた」という状況に対しては、「また怒られたらどうしよう」とか「私はいつもミスばかりでダメだ」とか「上司はもう私のことを見捨てたに違いない」といった瞬間的な認知があって、「悲しさ」が起こっていると考えます。

 

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この瞬間的な認知を、自動思考と言います。

「自動」、つまり無意識で起きる生理的反応の思考です。

つまり、一種の生理現象ですから、お腹が空いたりトイレに行くのと同じように、自然とそう認知し、感情を引き起こしています

また、自動ですので、私たちの意識に関係なく次から次に休む間なく沸いてきて、脳を疲労させ、ついには脳をエンストさせてしまうこともあります。

なお、ここでは深く掘り下げませんが、そういった自動思考の背景には、人が成長する過程で身に付けたスキーマ(信念)があるとされています。

この辺までは、普通に生活していても「自分はネガティブ思考だな」といった形で、なんとなく自分の特徴・性質・傾向として把握している方が多いのではないでしょうか。

そして、私のように「だからポジティブ思考に変えていきたい」と生来の自分の特徴・性質・傾向を嫌悪している方も多くいると思います。

認知療法の面白い点は、この生来の特徴・性質・傾向である生理的な考えを、一切否定しないことです。

生理的に起きてくる否定的な思考をダメなものとして評価して、ポジティブ思考に変えていくという技法ではありません。

ダメなものと評価しても、自己評価、自己肯定感が下がるだけで、ポジティブ思考には変わりません。

「トイレに行くなんて、自分はダメだ」と、生理現象によって自分を責める人はいません。

ですが、思考に関しては、「前向きに考えられないなんて、自分はダメだ」と、生理現象を否定してしまうことを、私たちは当たり前のように、無意識に行い、無理難題を自分に課して自分を傷つけています。

健康のバロメーターとしては、生理現象に対して良い悪いという評価はありますが、私たちは「人間がおしっこをすること」自体は自然なものとして受け止めています。

実は、そういう意味で良いおしっこ悪いおしっこが無いように、生理現象である認知にも、良い認知も悪い認知もないのです。

ただ、一方向に認知が強く偏っている(認知の偏り)だけなのです。

先ほどの例で言えば、「上司に怒られた」という事実に対して、「最近上司も忙しくて、機嫌が悪かっただけかも」とか、「大問題になる前にミスに気付いてもらってラッキー」という捉え方もできなくはありません。

認知療法は、事実を一側面から決め付けてネガティブな感情に支配されるのではなく、物事の見方が複数あることに目を向けて、しなやかに考える力を養う技法なのです。

 

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つづきます。

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