こんにちは!
ketoraaaです。
前回は、私たちを不自由にする固定観念や習慣とその背景についてお話ししました。
認知療法については、一応前回で終わりです。
次に、うつ病治療において、認知療法と双璧をなす、行動療法(なかでも問題解決法)についてお話ししていきます。
以前お話しした行動で測っていくという方法も、行動療法の一つです。
関連記事:【認知療法】考えれば考えるほど物事が好転していった経験がありますか? - ナチュラルなイキカタ
認知療法が、ネガティブな気分によるエネルギーの浪費を防ぎ、自分の土台を固めるための工夫だとしたら、問題解決法はそこから一歩進むための工夫です。
リワークを受けている方で、復職に向けてまったく課題がないという方はいないと思います。
そうでない方でも、「こうなりたい」「これがやりたい」という目標や、漠然とした望みがあると思います。
私と一緒にリワークを受けていた方でも、「掃除ができない」「起きられない」「ワードやエクセルが苦手」など、復職に向けた課題はそれぞれでした。
私自身は、最初に書いた通り、健康な時は「自分が好きになりたい」、休職中のこの時は、「日中昼寝をしなくても大丈夫なくらい波を落ち着けたい」という目標がありました。
その目標を実現するために取り組んだのが、問題解決法でした。
まず、問題解決法の具体的な方法から説明します。
問題解決法は、簡単に言えば、「まず目標をたてて、実践し、出来具合によって次の目標を立てる」たったそれだけの驚くほどシンプルな方法です。
それだけ聞くと、「子供じゃないぞ」とか「職場ではPDCAとしてもっと高度に実践している」と思われるかもしれません。
私は、問題解決法は学校で訓練する生活の目標とも、職場で実践するPDCAとも違うものだと思います。
特に、目標設定の方法が全く違います。
問題解決法の目標設定には特徴的な三つの条件があるのです。
条件の一つ目は、「このくらいはできる」という小さな目標にすることです。
「大きな結果」を目標にするのではなく、「小さな行動」を目標にするのです。
スモールステップとも言います。
例えば、休職中は、朝出勤して、夕方定時まで会社にいることが大きな目標です。
最初から夕方定時までを目標にすると、ハードルが高すぎて、まず何をしてよいかわからず立ち止まってしまいます。
目標は100でも、立ち止まったままでは0です。
0はいくら足していっても0のままです。
また、目標を実現できなかった自分に対して、否定的な感情が高まり、挫折感となって、大事なエネルギーを失うこともあります。
学生時代のわたしがまさにその螺旋で踊っていました。
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そこで、問題解決法では、低いハードル、100ではなく、1か2くらいの、「これくらいなら飛べる」というハードルを設定します。
達成できれば次のハードルを設定していけばよいのですが、もちろん人間ですから、目標が達成できないこともあります。
むしろ、完璧な人間はいないのですから、達成できないことは自然なことです。
それでもいいのです。問題解決法の目的は、成功と失敗の数を比較するような評価ではありません。
達成できなければ、何が問題なのかよりはっきりしてきます。
大野裕さんの本にも書かれていましたが、それは、次の目標設定に繋がるという意味では「成功」しています。
行動には失敗はないのです。
例えば、「一週間のうち2日は朝8時に起きる」という目標が達成できなければ、その1週間を振り返り、「ハードルが高かったかも」と2日を1日にしてみたり、まず寝る時間が遅いという別の問題が明らかになって、「1週間に2日は23時までに布団に入る」という目標に変えることもできます。
これは、うつ病の治療でなくても応用できる手法です。
普段の生活で悩んだり立ち止まって、よい解決策が思い浮かばない時、80点90点の解決策を横に並べて、全て一気に解決しようとしていることが多いのです。
50点60点の解決策を、縦に並べて目の前のものからやってみると、うまくいくことがあります。
遠回りに見えますが、80点90点を目指していると結局何も手につかないことが多いので、50点60点くらいのほどほどの行動を着実に積み重ねるのが最良の近道です。
高校生の頃、目標が実現できないと自己否定ばかりしていた自分に教えてあげたいです。まず、一日15分机に向かうところからはじめようと。
つづきます。
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