こんにちは、ぐっちです。
前回は、
うつ病から復職したものの、
上司の
うつ病復職者への一方的な認識に
戸惑ったところまで
お話ししました。
復職後は、
正直に言って、
ほぼずっとこの調子でした。
うつ病は、
波を描きながら、
グラデーションのように
回復していくと言われています。
専門医であっても、
先を正確に予測することは
難しいそうです。
ですが、
課長も係長も、
体調には
「よい」と「悪い」しか
ないと考えているようでした。
(正直に言えば、
健康なときの私自身も
そう思っていました。)
私は、
包帯をぐるぐる巻いている
わけでもなく、
見た目には「普通」に見えます。
そのため、
一方的に
「体調はよい」と判断され、
突然、
大きな仕事を振られたり、
その量が難しいと伝えると、
今度は
「悪い」と判断されて、
まったく仕事がなくなったり。
両極端でした。
そしてそのたびに、
私の体調も
大きく振り回されました。
私自身も、
自分の体調の「正解」を
分かっているわけではありません。
だからこそ、
今どう感じているのか
今できることは何か
それを話し合いながら、
一緒に考える場を
持ってほしかったのです。
ですが、
「話し合いの場は必要ない」
と言われました。
「様子を見ていれば
体調は分かるし、
係内での情報共有も
できているから」
私には、
人の体調を
様子を見るだけで
理解することはできません。
ましてや、
係内でも課内でも
会話がほとんどない中で、
私の体調を測るために
適した業務があるのかどうかも
分かりません。
コミュニケーションがない状態で、
私だけが
相手の思いを汲み取ろうとすると、
空想の中で
無限に広がる
「相手の期待値」に
疲弊してしまいます。
リワークで学んだように、
こういう時の対応は
「行動」だと思いました。
このままでは、
今の自分ができる範囲を
試せる場すらありません。
一方通行の思い込みを
なんとか改めてもらい、
双方向のやりとりを作りたい。
リワークスタッフと対策を練り、
一日一日の体調を
紙に書いて渡し、
読んでもらう方法を試しました。
ですが、途中で
課長から、
「様子を見ていると
もう体調は大丈夫だから、
持ってこなくていい」
と言われました。
やはり、
「よい」と
断定されてしまいました。
私がしてほしかったのは、
仕事の交通整理でした。
どんな仕事があって、
どれをやってみて、
どれは今はやらないのか。
それが分かれば、
「見通し」が立ち、
「心構え」ができます。
逆に、
それが曖昧なままだと、
「今日は何が起きるんだろう」
と、
必要以上のストレスを
抱えることになります。
当時の私には、
上司が
あえてその道を
選んでいるように
見えてしまいました。
ただ、いま振り返ると、
二人とも
意地悪をしていたわけでは
なかったのだと思います。
うつ病に
縁がなかっただけ。
興味がなかっただけ。
プロ野球に
興味のない人が、
犠牲フライの意味を
理解できないのと
同じようなものです。
それでも、
復職したばかりの私は
傷つきました。
主治医は、
こう言いました。
「メンタルヘルスは、
世間が思っているほど
理解されていないものだと思った方がいい」
「外傷なら
使えないと分かるけど、
メンタルは見えない」
「だから、
こちらから
“こうしてもらえると助かる”
と示していくと、
相手も理解しやすくなる」
さらに、
こうも言われました。
「手堅く。
明日に向かって頑張るより、
今日は今日を手堅く」
「万全じゃないくらいで
できていればOK」
「面白味はないかもしれないけど、
人生には
送りバントのような時期も必要」
この言葉に、
ずいぶん救われました。
上司とのコミュニケーションは
最後まで
うまくいきませんでした。
それでも、
退職を迫られたり、
露骨な嫌がらせを受けたり、
即フル業務に戻されたり
しなかった私は、
今思えば、
恵まれていた方なのかもしれません。
つづきます。
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ですが、二人とも「やる気のないあいつを困らせてやろう」というように意地の悪さからそのような対応になっていたのではない、といまは思っています。
私がうつ病になるまで紙一枚分の工夫に出会うことがなかったように、ただうつ病に縁がなかったか興味がなかったかなのでしょう。
プロ野球に興味のない人が、犠牲フライが理解できないのと同じように。
私が休職している間、派遣社員を特別に雇っていたらしいですが、それについてD係長が「今年は本当に大変だったから、今年の状況じゃ雇わざるを得なかったよねー」と十分に私に聞こえる声で話しているのも、私への当てつけではなく、ただそう思ったからに過ぎないのでしょう。
ただ、復職したばかりの私は傷つきました。
主治医は、「メンタルヘルスは、世間でこのくらい理解されているだろうと思わない方がよい。会社が、メンタルヘルスを分かっていないのはよくあること。外傷であれば、その部分を使う仕事はできないと分かるが、メンタルヘルスは知られていないものだと思っておく。これからもあることだと思っておく。そういう意味では、こちら側から、こうしてもらうとありがたいと示していくと、相手側もそういうものかと理解できて親切」と、職場と自分の体調との距離を調整していく対処を教えてくれました。
特に、仕事の段取りを組める時間を持つこと(自分に裁量があること)が大事なので、突然仕事をふることだけはなんとかしてもらおうと、「突然仕事をふらないでください」では角が立つので、「大きな仕事は前日の夕方までに伝えてください」と伝えてみようとアドバイスをされました。
直接話す機会がなかったので、毎日渡すメモに書きましたが、変化は感じられませんでした。
「手堅く。明日に向かって努力しようではなく、今日を手堅く。万全じゃないくらいの方が手堅くできているのでOK。面白味はないかもしれないが、送りバントのように人生にはそういう時期も必要」
と主治医からはアドバイスされました。
このように上司とのコミュニケーションはうまくいきませんでしたが、精神疾患への理解の現状を考えると、退職を強要される、嫌がらせを受ける、すぐに以前の業務に戻されるということもなかった私は、恵まれていた方かもしれません。
つづきます。
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