続けられるかたちを探して  ―うつ病というわたしの一部―

何度も壊れて、そのたびに生き方を作り直してきました。 うつ病とともに働き、休み、 障害者として社会と向き合う今があります。 「頑張れば報われる」から降りた先で見えた、 無理をしない生き方のメモ。 ここは、立ち止まってもいい人のための場所です。

【一区切り】元に戻らなくていい。わたしは「自然な生き方」を探し続けていく

こんにちは、ぐっちです。

 

ここで、振り返り編の記事はいったん一区切りとします。

 

今後は、リアルタイム感を大切にしながら、
その都度の「紙一枚分の工夫」を書いていこうと思います。

 

2度目の休職中に出会った言葉の中で、
もっとも強く印象に残っているのが、
テレビで羽鳥慎一さんが紹介していた、
島田紳助さんの言葉でした。

 

人生は、下りのエスカレーターを昇るようなもの。  
だから、現状維持できていれば十分。

 

この言葉は、
設計書どおりにつくられた部品同士が
ぴたりとはまるように、
当時のわたしの感覚に、驚くほどフィットしました。

 

わたしは二度の休職を経験し、
体力も、頭の回転も、
休む前と同じようにはいかなくなりました。

 

それどころか、
寝ること、食べること、起き上がること。
生活の根本から、
立て直す必要がありました。

 

ここまで書いてきたように、
いろいろなことがあり、
いまのわたしは、
30歳頃のように猛烈に働いていた状態に
戻ろうとは思っていません。
戻りたいとも思っていません。

 

それまでは、
身長が伸びるように、
覚えた英単語が増えるように、
時間がたてば何事も
勝手に成長・向上していくものだと、
どこかで思い込んでいました。

 

ですが、
身体全体のパフォーマンスは、
身長や英単語とは違います。

 

20代までの感覚で
身体を酷使し続けていると、
いずれ回復力と活動量が逆転し、
大きな反動を引き起こしかねません。

 

それは、
自分が弱いからでも、
ダメだからでも、
失敗でも罰でもなく、
ごく自然な人間の変化です。

 

年を重ねて、
身体的成長とは別の、
未知の世界に足を踏み入れる。
そんな新しい冒険が、
始まったのだと思っています。

 

ちょうどそんなふうに感じていた頃、
ガンとともに生きる姿を発信されていた
小林麻央さんが、
34歳で亡くなりました。

小林さんの言葉を通して、
わたしは、はっとしました。

 

「元の自分に戻りたい」と思いながら、
わたしは、
望んでいる自分とはかけ離れた方向へ、
自分自身を追い込んでいたのです。

何かの罰で病気になったわけでもないのに、
以前と同じようにできない自分に
「失格」の烙印を押し、
苦しみの陰に隠れ続けていました。

 

ガンやうつ病のように、
生活を一変させる病気は、
生活の100%を病気の色で染め、
すべての基準を
「病気」にしてしまうことがあります。

 

わたしも、
「もう自分には病気しかない」
と考えていました。

 

ですが、
うつ病を経験したことで
新しくなったわたしのアンテナは、
紙一枚分の工夫のような、
これまで引っかからなかった言葉や行動を、
次々と拾ってくれるようになりました。

 

そして次第に、
「うつ病にならないこと」が
生活のすべてではなくなり、
「風邪を100%予防できないのと同じ」
とも考えられるようになってきました。

 

いまわたしが目指しているのは、
肩の力が抜け、
足りているものに満足し、
小さなことを楽しめる、
しなやかで強い心を持った自分です。

 

それは、
甘えでも、手抜きでも、弱さでもなく、
わたしの自然なあり方だと
思うようになりました。

 

自分の暗い影が見えるということは、
光の中に立っているということ。

 

「これがわたしの自然な生き方だ」
と結論が出たわけではありません。
ただ、
「そっちの方がなんとなくよさそうだ」
という感覚です。

 

「うつ病を制圧する」よりも、
「自然な生き方に近づく」。
その方が、
わたしには無理がありません。

 

そう考えると、
うつ病は、
消し去るべき黒い殻ではなく、
無理をしそうなときに
手をつかんで止めてくれる、
ちょっとクセのある親戚のような存在
なのかもしれません。

 

わたしは、
世間的な正解とされる道をそれて、
自然な生き方を探す道を、
歩きはじめています。

 

うつ病も、
その仲間として、
隣を歩いているのかもしれません。
共に歩むには、
お互いを知り、
少し打ち解ける必要がありそうです。

 

それは、
いますぐ分からなくてもいいし、
今すぐ結論を出さなくてもいい。

 

フィットする生き方は、
世界に一つではありませんし、
一人に一つでもありません。

 

少なくともわたしは、
紙一枚分の一歩でも、
まず歩き出してみることにしました。

 

それは、
取りに足らない変化かもしれません。
ですが、
理想とのギャップに打ちひしがれて
自分を責め続けていた高校生の頃のわたしより、
うつ病を経験し、
誰のものでもない一歩を踏み出した
いまの自分のことを、
ようやく少し好きになれそうです。

 

長い間、
お読みいただき、
本当にありがとうございました。

 

ここで振り返り編は一区切りです。
これからは、
現在進行形の生活の中で見つけた
紙一枚分の工夫を、
その都度書いていこうと思います。

それでは。

最初からお読みいただける場合は、こちら↓  

naturalway.hatenablog.jp

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