障害者雇用の立場になって分かった、様々な現実があります。
その最たるものが、離職率の高さです。
厚労省の統計によると、障害者雇用の1年以内離職率は、約半数で、精神障害だともっと高いようです。
それぞれに背景があるとは思いますが、日本の障害者別の人数を見ると、実はこの離職率問題は、深刻な状況にあると言えるのではないでしょうか。
身体障害:約420万人
知的障害:約120~130万人
精神障害:約600万人
日本の総人口のうち、あわせて1000万人以上が、障害者だからです。
もちろんいわゆる生産年齢人口となると多少低くなるとは思いますが、およそ10人に1人というのは、私の実感とも整合します。
家族や友人も含めると、10人に3人くらいが障害を身近に感じていると推測できますが、私は障害をオープンにしているので、だいたい話していても、そのくらいの割合で実は身近に障害者がいる、と話してくださる方がいます。
障害は身近にいることで具体性を帯びますので、逆に言うと、10人に7人程度の方が障害を身近に感じていない、想像が及びにくい、と言えます。
なぜ離職率が高いのか、様々な理由があると思いますが、その代表的なものに待遇の低さがあると私は考えています。
例えば、以下が障害者雇用の平均的年収です。
身体障害:約280万円前後
知的障害:約160万円前後
精神障害:約170~180万円前後
生活していくのに非常に厳しい水準であることが分かります。
このブログでも書いてきたように、多くの障害者雇用が最低賃金付近のパート(有期雇用)です。
正社員の求人は、体感値で10件に1件、かつ公表はしていませんが、正社員の求人の場合は身体障害の方を求めています。
障害年金を前提にした給与設計になっていることも想定されますが、障害年金はあくまで個々の年金組合の制度であり、実は公的な制度ではありません。
こちらも記事にしたことがありますが、審査基準は年金組合によってまちまちです。
(私の障害年金の申請はいまだ審査中です。準備開始から1年半が経過しました。)
「豊かさ」には様々な捉え方があるとは思いますが、最低限の自立した生活が送れて、ささやかな趣味をたしなみ、将来に向けて貯蓄・投資ができるためには、いまの日本で最低でも年収300万は必要ではないでしょうか?
その土台があった上で、それぞれが安心して「生きがい」を探求できるのだと思います。
そもそも、生活の「不安」という土壌に、「生きがい」という花は咲かないのではないでしょうか。
障害者が安心して消費ができるようになることで、経済の好循環の後押しも期待できます。
将来の生活保護の利用も減らせる可能性もあります。
例えば、現在雇用率(2.5%)となっている制度を、待遇によるインセンティブに変換するなどの待遇改善の仕組みを作ることなどが考えられます。
労働環境先進国と私が思っているドイツの例を見てみましょう。
■ 特徴
・雇用率5%(強制)+未達企業に罰金
・その罰金を支援財源に再配分
■ 強い点
・義務+インセンティブが両立
・財源が自己完結(税金依存が少ない)
・重度障害者は「カウント倍増」など工夫あり
■ 成功要因
市場原理を利用している
・雇わない → コスト
・雇う → 助成+人材確保
AIによると、海外先進事例では、「障害者=コスト」ではなく、「環境を調整すれば生産性を持つ人材」と捉え、環境調整機能を重視して整備していることが大きいようです。
こうした工夫が日本でできないとは思いません。
私は特に「強い」「マッチョ」な国は求めていません。
「強い」「マッチョ」な国は、弱者には優しくない生きにくい国だと思うからです。
私は、様々な立場の方が「豊か」で「生きやすい」、「優しい」国になってほしいと考えており、そのためにも障害者の働き方は極めて重要な視点だと気づかされました。
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