こんにちは、ぐっちです。
マンガのご紹介をするのは久しぶりかもしれません。
多分、『天然コケッコー』以来、なんと7年ぶりですw
それだけ、今回のマンガには感じるものがありました。
私の会社で、クローズド(会社に精神疾患を言わずに働いている)の人に紹介されたマンガ『Shrink〜精神科医ヨワイ〜』です。
この作品は、新宿で精神科を開業する弱井幸之助が、様々な精神疾患と寄り添い、それぞれの歩む道をともに見出していく医療人間ドラマです。
この作品は、精神疾患といってもうつ病だけを扱っている物語ではありません。
アルコール依存症やパニック障害、発達特性や摂食障害など、さまざまな精神疾患が
• 症状に向き合うプロセス
• 日常生活の中の苦しみ
• 医療と社会の距離
• 本人・周囲の心理
まで、丁寧に描かれています。
障害者雇用の誤解や葛藤まで題材は非常に幅広いです。
だからこそ、これは「精神医療そのもの」を描いている作品だと感じました。
特に、(わたし自身もそうでしたが)「まず自分が病気であると受け入れることの難しさ」が繊細に描かれています。
主人公の精神科医・弱井先生の診察には、ある種の静けさがあります。
すぐに結論を出さない姿勢があります。
相手を変えようとしない態度があります。
まず、病気も含めて患者に寄り添う姿勢があたたかいです。
わたしは、その「共存」の感覚に大きく共感しました。
精神疾患とは長く付き合うことが多いです。
だからこそ、治すことを急がない。
正しさを押しつけない。
ただ、その人の現在地を一緒に確認する。
そこからスタートする。
それは、わたしが大切にしている在り方と、とても近いものでした。
精神疾患は打ち負かす「敵」ではない。
排除すべきものでもない。
抱えながら生きることもある。
そのなかで、見出せる希望がある。
弱井先生の姿勢には、その覚悟が感じられます。
このマンガでは、その温度感が常に保たれており、寄り添うという言葉が安っぽくなっていません。
一方で、わたしの実体験は、もう少し現実的な部分もあります。
このマンガに他の精神科医として登場する人物にも描かれているように、実際の精神科は、薬の処方が中心になることが多いです。
診察は数分で終わることもあります。
状態を確認し、薬を調整し、それで終わる。
「はい、じゃあ同じお薬出しておきますね」が何年も続く…。
医学的に認められている認知行動療法などは、時間がかかります。
しかし、多くの場合、認知行動療法などとじっくり向き合えるのは自費診療のカウンセリングであり、金銭的に困窮する当事者には高いハードルとなっています。(1時間で1万円前後)
もちろん、精神科で処方される薬に助けられることも事実です。
ですが、精神疾患は、多くが脳の特徴、認知のクセ、環境、ライフイベントなど複合的な要因で発症しており、服薬治療が支えるのはその「一部」です。
それだけだと、その他の要因によって同じスパイラルに入り込むことを、私は何度も経験してきました。
実際の精神科では、話をゆっくり聞いてもらえる時間は、決して多くはありません。
(だから、私は話したいことを紙にまとめてもっていくこともよくあります)
医療制度の制約もあるでしょう。
患者数の多さもあるでしょう。
だからこそ、Shrinkのような在り方が、現実の医療の中にも、少しずつ増えていったらと感じました。
この作品は、精神疾患を劇的に解決しません。
奇跡的な回復も起きません。
けれど、理解が少しずつ積み重なっていきます。
弱井先生の伴走によって、自分を観察し、自分の状況を理解し、視点が増えていきます。
わたしがリワークで学んだことも、似たものでした。
頭の中だけで考え続けないこと。
外に出すこと。
言語化すること。
整理すること。
そして、少しずつ行動すること。
Shrinkの診察は、そのプロセスを実践しているように見えました。
わたしは、弱井先生の在り方に、大きな共感を覚えました。
治すか治らないかではなく、どう生きるか。
変えるか変えないかではなく、どう共にあるか。
その姿勢は、わたしが大切にしたい考えと重なっています。
派手ではありません。
でも、確実にそこには希望があります。
わたしにとってShrinkは、「共存」という言葉を、もう一度静かに確かめさせてくれる作品でした。
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