こんにちは!
人生を自然で豊かにするヒントを紹介していくブログ「Restart with True Engine」のぐっちです!
パンデミックで、足元が揺らぐ不安を味わった(ている)方は多いと思います。
そういう時に人はどういう行動に出るか。
地震や津波でも同じです。
他の人の様子を見るんです。
特に日本人は、それがものすごく強い。
ある学者が「日本人にとっての神は“世間”だ」と言ったくらい。
そして、なんとなく周りと歩調を合わせながら、空気による支配感を作り出し、そこから外れることを恐れ、外れていくものを敵視する。
今回のパンデミックでも、その特徴はいかんなく発揮されました。
例えば、「現在流行している新型コロナウイルスは、中国から持ち込まれたものである」
YESかNOか。
正解は、
NOです。
ま、問題にするくらいだからNOなんですけど。笑
では、「田舎には何もない」「東京に行かないといい仕事はない」
YESかNOか。
これも、NOですね。
逆に、僕たちが使うもので、鳥取になくて東京にあるものって何でしょうか?
ないですよね。
楽天とかサイバーエージェントの本社は島根にはないかもしれないけど、あんま関係ない。
そういうことなんです。
こういうイメージ、思い込みを、「共同主観」と呼んでいるのが藻谷浩介さん。
記事:「コロナ禍で露呈した日本人の共同主観」 地域エコノミスト・藻谷浩介 | 朝日新聞デジタル&M(アンド・エム)
この共同主観のパワーはとんでもない。
ポジティブなベクトルに働くと、社会を一変させる。
ところが、たいていは事実を誤解することに使われてしまっているというのが藻谷さんの主張です。
事実を自分の目や耳で確かめることなく、
「みんなが言っていないことは知らなくていい」「人が騒いでいることしか問題だと思わない」「そのときみんなが正しいと思っていることを自分も正しいと思う」という発想
をベースに行動してしまう。
先ほどのウイルスが中国から持ち込まれたかどうかという話では、事実として、
国立感染症研究所が4月末に発表した遺伝子解析では、3月以降に感染拡大したのは欧米から帰国した日本人が持ち込んだウイルスで、外国人観光客由来のウイルスは、2月中に制圧できていたことが示されています。ですがこのことは、各地の数字を確認していれば推測できた事実でした。
例えば国際空港のある千葉県成田市では、空港内に4万人が従事していますが、6月中旬の段階で陽性判明者は5人だけでした。1月下旬からの旧正月の時期に何十万人もの中国人観光客が出入りしたにもかかわらずです。中国人観光客の多い別府市での陽性判明者も6月中旬時点では3人で、いずれも観光には無関係の人でした。観光地の北海道のニセコ町、長野県の軽井沢町や白馬村も当時0人でした。
つまり空港や観光地では観光客と日本人の「濃厚接触」が起きにくく、国際観光に危険はなかったのです。
うつ病の治療でも、実はまったく同じことが言えます。
もともとネガティブバイアスが強いので「今日は全然起きていられなかった」という風に自己評価しがちですが、実際に生活の記録をつけると30分か1時間は起きていたりする。
「全然起きていられなかった」というのは「思い込み」であることが分かります。
フラットに自分が観察できることで、本当の次のステップも見えてきます。
さらにその後、職場や学校に復帰してからも、僕たちは思い込みに縛られます。
カミュの『ペスト』が累計で100万部売れたようですが、コロナはペストとは違って未知のウイルスです。
何が起きているのか、日々確かめなくてはいけないのに、昔の情報をもとに勝手にイメージを作って、その中だけで解釈するから、事実からどんどん離れてしまう。
自分だけでなく、親も周りもそう思い込み、評価してしまう。
昔の情報によるイメージを元に。
未知のウイルスをめぐる状況が刻一刻と変化するように、人は変化します。
「昔はこうできた」というイメージに縛られていると、体は当然に再び拒否反応を示します。
それは、
事実から離れてるサイン
とも言える。
藻谷さんの言うように、
いま何が起きていて、何が起きていないのか事実を自分で確認して考えると、
事実はこんなに多様で、日々発見に満ちている。
可能性はないのではなく、ないと思い込んでいるだけ。かもしれない。
藻谷さんは思い込みを悲観的にとらえていますが、このパワー自体はすさまじいので、せっかくのパワーをポジティブなベクトルに向けていきたいですね。
ちなみに、この記事でつい笑っちゃったのが、ある地方自治体の人気首長について語った部分。
彼女はメディアの前のパフォーマンスの人ですから、カメラの前で踊っているだけで、下の者には「よきにはからえ」かもしれないし、当たり散らしているのかもしれない。部下が意気に感じて頑張っているという話は、あまり聞こえてきません。
さすが、当たりすぎててウケる。