おすすめの小説を紹介するのは、はじめてかもしれませぬ。
「宝島」といっても、あのスティーブンソンの「宝島」ではありません。
真藤順丈さんの「宝島」です。
あーこれは傑作さねー。
と、読み終わると琉球方言が染みつく傑作。
小説に夢中になりました。
あまりにも行間から香ってくる沖縄への愛と、沖縄の風と土と水の肌触りがリアルで、著者の真藤さんは絶対に沖縄出身の方かと思ったら、なんと東京の方なんです!
真藤順丈おそるべし!
稲垣吾郎さんも沖縄の方だと思ったみたいです。笑
記事:稲垣吾郎「絶対に沖縄の方かと思った」直木賞受賞作『宝島』のリアリティーに愕然[ゴロウ・デラックス] | ニュース | Book Bang -ブックバン-
ゴローちゃん分かる!おもっちゃうよね!
物語は、戦果アギヤー(戦果をあげる者)、沖縄返還、戦闘機小学校墜落、米軍車両死亡交通事故無罪判決、コザ暴動という沖縄戦後史を縦糸に、オンちゃんという戦果アギヤーの“英雄”を失ったグスク、レイ、ヤマコという3人の幼馴染のそれぞれの生き方を横糸に、戦後の沖縄県民の複雑な感情を描き出していきます。
この小説の最大の魅力は、物語が戦後沖縄史と分かちがたく密接にリンクしている地続き感です。
それが、沖縄ならではの風景を描写する独特の熱い表現と相まって、物語にとてつもないリアリティをもたらしています。
どなたかが書評で書いていましたが、「肌がちりつく感じ」がします。
沖縄ヤクザ史上最大のカリスマ又吉世喜や、復帰後の沖縄国政選挙で衆議院議員となった瀬長亀次郎とレイやヤマコといった人物が躍動的に絡み合っていく。
そうなんだ!小説が躍動的なんだ!文字が躍っているんだ!
「沖縄」という箱に押し込めてしまっては見えないものが、見えるようになる。
「見えないもの」は、例えば、「故郷」が奪われるという感覚。
「故郷」の美しい自然に問答無用に基地が作られるという感覚。
芸術とは「見えないものを見えるようにすること」と言ったのは20世紀の芸術家パウル・クレーでした。
“歴史”上の出来事は、どうしても「本能寺の変」のように、自分と切り離してしまう。
見えなくなってしまう。
でも、本当はそれも自分と地続きなわけ。
今が積み重なって、後から“コザ暴動”とか呼ばれてるわけ。
自分っていうものも、何か確立された一つの箱じゃなくて、流れなわけよ。
現象なわけよ。
現実をベースにしたファンタジーを通して、その感覚が肌に触れるような気がするから、魂が震える。
この感覚が、時間軸という縦だけでなく、空間という横にも広がっていったら、そこにはどんな世界が見えてくるでしょうか。
いまここに自分がいる奇跡、ではないかな、という気がするのですが。
返還前の施政権を持っていたアメリカ極東軍司令官(ライカム)が、今はイオンモールライカムになっているなんて、諸行無常。(厳密には違うけど)
確定した箱だと思うと、もうそこは「墓」同然さーね。
今が悲しければ全て悲しい。
判断も考え方も、どんどん閉じていく。
自分が宇宙の流れの中にいれば、判断も考え方も、どんどん、開いていく。
そして、物語の最大の謎。
嘉手納アギヤーで失踪した英雄オンちゃんに何がったのか?オンちゃんがキャンプ嘉手納から持ち出したものとは?オンちゃん探しを続けるグスクたちに、次第に明らかになる真実。
真実は、ぜひご自身の目で確かめてほしい。
そこで、多くの方に読んで欲しいので、ぼくが読み終わった「宝島」を抽選で1名にプレゼントしちゃいます(*^▽^*)!!!
応募方法は、次のアドレスへメールでご連絡ください。
ketoraaa(アットマーク)outlook.jp
※(アットマーク)は@に置き換えて送信してください。
もちろん、TwitterやFacebookへのメッセージもOKです(*^^*)
当選した方に、当選のご連絡をします!
応募は12月25日まで!
それにしても、「宝島」の映画がみたい。
ぐっち