こんにちは。ぐっちです。
わたしが継続している読んでいる数少ないマンガ、羽海野チカさんの「3月のライオン」の待望の新刊が発売されてましたー(≧▽≦)
もし読んだことない方がいれば、ぜひ手にとっていただきたい傑作です。
あらすじは、公式ページから。
東京の下町に一人で暮らす17歳のプロ将棋棋士=桐嶋零
史上5人目の中学生プロデビュー棋士として
周りから期待される零だが
彼は幼い頃に事故で家族を失っており、
生活の中でも盤上でも、深い孤独を背負っていた。
彼の前に現れたのは、
あかり、ひなた、モモの三姉妹。
彼女たちと接するうちに、
零は心の内に温かな気持ちを
ゆっくりと取り戻していく・・・。
舞台はわたしのご近所月島。
将棋は興味ないな~って敬遠してしまうともったいないです!
たまたま題材が将棋であって、描かれているのは人間だれしもが持っている感情のゆらぎ。
悩んだり、笑ったり、泣いたり、喜んだり、挫折したり、成長したり、愛したり。
そういうゆらぎが、丁寧にすくい上げて描かれています。
読んでいると自分のもやもやした気持ちもすくい上げられて魂が浄化される気がします。
「ゆらいでもいいんだ」
「挫折してもいいんだ」
「泣いてもいいんだ」
「怒ってもいいんだ」
「はしゃいでもいいんだ」
これって、「存在しているだけで認められる」っていう、わたしがいま心動かされるテーマとシンクロしているのかも。
あ、でもシリアスなだけのストーリーじゃないですよ!
ほっこりしたり、クスッとしたり。
とにかくあったかい気持ちになるマンガです。
自分の人生をコメディなのかと嘆く者もいれば
その姿に胸をあっためられる者もいる
天国とか地獄とか言うけれど
そこがゴールかどうかだって
ホントの所は誰にも解りゃしないんだ
あー、グサグサ魂に刺さる。
職団戦のとことかさいこー(≧∇≦)
林田先生だいすき!笑
ちなみに、芸術を鑑賞して感じるカタルシスって言葉がありますよね。
これは、魂の浄化って意味。
どっぷり物語にはまって、あースッキリしたー(≧∇≦)というあの感じのことです。
現実をいったんカッコに入れる、とも言われます。
←ちょっと芸術学部っぽい?笑
「3月のライオン」では、主人公だけにフューチャーするのではなく、家族のような存在、ライバル、師匠、学校の先生、憧れの人、本当の家族、みなそれぞれに背景があって、それぞれの人生を生きている。
そこには、主人公に正義を言わせるための記号のような悪人は出てきません。
天才棋士だって、将棋で悩むのはもちろん、勉強もあって、恋愛もあって、家族関係もあって、色々なものがあってゆれながら生きている。
世界に将棋の勝負しかない訳でもないし、主人公が最初から誰もを魅了する魅力を持っているわけでもないし、怒りをトリガーにして別次元の能力を発揮するわけでもない。
恋愛だけで世界が作られているファンタジーが必要なタイミングもあるとは思いますが、リアルな世界との関係性が希薄すぎて、怖いのは「行ったら行きっぱなし」なこと。
世界に入り込んで、戻ってこれなくなる。
「昔は帰りの便もあったんだが・・・」
って、これ「千と千尋の神隠し」の釜じいのセリフ。
現実の写し鏡ほどささくれ立っていなくて、現実を置いてきぼりにしたファンタジーでもない、豊かで多様な世界は、わたしが尊敬する宮崎駿さんや高畑勲さんに通じる世界のとらえ方です。
なんでこういう作品に惹かれるんだろう・・。
一つの価値観を押し付けてこないから、自分が許されてる、優しく励まされてる感じがする?
やっぱり、魂の浄化?
この感覚が気になる方は、ぜひ「3月のライオン」を読んでみてほしいです。
こういう名作が他にもあるので、また折を見てご紹介します!
余談ですが、本書の監修をされている先崎学九段は、うつ病で2017年から1年間闘病された経験をお持ちで、「うつ病九段」という本にされてます。