こんにちは。ケトラーです。
マインドフルネス講習会の続きです。
「ン」と「ソ」のワークで体感したように、過去や未来、後悔や不安にフラフラと過剰にお出掛けする自分の思考・感情を、いま・ここに戻してあげる、この注意のコントロール力を鍛えることこそマインドフルネスです。
注意のコントロール力って発想があったとは!!
次々に変化していく刺激や環境のわずかな違いに対して、次は何が出てくるんだろうと好奇心をもって注意を向けると、気分が変わります。
これ、大発見です!!
なぜ学校で全員やらないのでしょう。
次に、講習会で実践した方法で、ブログを読んでいるみなさんにもぜひ注意のコントロール力を体感していただきたいと思います。
まず、この先の文章を読む前に、これから紹介する動画を見て、白いTシャツを着た人が何回ボールをパスするか数えてください。
The Monkey Business Illusion - YouTubem.youtube.com
さて、数えましたか?
何回でしたか?
どうでしょう?
10回ですか?
100回ですか??
次に、この先の文章を読む前に、今から何が起こるんだろうという好奇心を持って、同じ動画を見てみてください。
The Monkey Business Illusion - YouTubem.youtube.com
いかがでしょうか?
起きた変化に気づきましたか?
そう。
3つの変化が起きましたよね。
変化が分からなかった方は、もう一度動画をみてから、この先の文章を読んでください。
3つの変化は、
ゴリラが出てきたこと。
ゴリラとともに一人退場したこと。
後ろのカーテンの色が変わったこと。
この変化に、パスを数えているときに気づきましたか?
わたしは、どれにも気づきませんでした。
小さい画面で全体が見渡せると気づくかもしれませんが、講習会ではプロジェクターで大画面だったので余計気づきませんでした。
この動画、モンキービジネスイリュージョンという有名な動画だそうです。
このパスを数えている時の脳のモードが、わたしたちが無意識に日常的に使っているすることモード(Doing Mode)です。
勉強や仕事に集中しているモードは、まさにこれです。
意識は、何かのタスクを達成させることに向かってます。
そして、ゴリラに気づいたモードが、わたしたちが錆びつかせているあることモード(Being Mode)です。
道端の花が咲いたとか、同僚の髪型が変わったとかに気付ける、とても開放的なモードです。
2つのモードはギアチェンジのようなもので、同時には作動しません!
これを動画で体感していただきました。
することモードでパスを数えていると、小さな変化にも気づくことができません。
ここがおもしろいところです。
わたしたちは、あらゆる事柄に「することモード」で対処するよう訓練してきました。
することモードが悪いわけではありません。
うまくいくこともあります。パスの数を正確に数えたように、それがあるからこそ正確に、効率的に、素早く処理することができます。
でも、人間関係のように、正確性や効率が不向きな分野もあります。
パスの数を正確に数えたところで、恋愛はうまくいかないですよね。
その場合のすることモードは、解決策の正解をもとめて、ガソリンがなくなるまでアクセルを踏み続け、考えれば考えるほどネガティブな思考や感情が増大する悪循環となることがあります。
一方であることモードは、思考や感情を、心の中で起こり、そして去っていくものとして受け入れ、見つめます。
嫌な出来事も、その嫌な気分は一過性のもので、いまどうするか、何ができるか、何を感じているかに注意を向けます。
注意の向け方のコントロールです。
例えば、雲の流れる空を想像してください。
私たちが見ている場所は同じでも、雲は流れ、景色は変わります。
ところが、することモードで1つの雲を自分で追いかけていると、景色は変わりません。
どちらが現実を客観的にとらえているでしょうか。
思考や感情も雲と同じで、良くも悪くもなく、うつろうものです。
思考や感情は、現実そのものではなく、あくまでも心の中の一過性の出来事に過ぎないからです。
あることモードを鍛えて、することモードとあることモードの切り替えを意識的にできるようになることで、ストレスな出来事との関わり方が変わります。
それには、私たちが鍛えてこなかった新しい心の回路が必要です。
なにせ、毎日何時間も何時間も繰り返し「することモード」のトレーニングばかりしてきたのですから。
その回路を鍛えるのが、マインドフルネスです。
新しい回路を開く「あることモード」は、鍛えることが可能というのも、マインドフルネスの魅力の一つです。
新しい回路を鍛えて、思考、感情に執着せずに観察してみると、ゴリラに気づくように、現実的で柔軟な反応の選択が可能となります。
マインドフルネスは、知れば知るほどぜひ、多くの方に体感してもらいたいです。