こんにちは。ケトラーです。
わたしは、5年間飲み続けた睡眠薬と抗うつ薬を、一度断薬しました。
いまは再開していますが、長い間飲み続けた少なからず依存性のある薬を一度断薬できたという経験は、大変勇気を与えてくれます。
睡眠薬の断薬の際は、まず「睡眠外来に行ってみる」という小さな行動をきっかけにして、ハルシオン(トリアゾラムテバ)からより筋弛緩作用の少ないマイスリー(ゾルピデム)、アモバン(ゾピクドン)、ルネスタ(エスゾピクドン)とあれこれ試していき、断薬に至りました。
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薬の調整だけでなく、睡眠にいたる行動も、スマホ、読書、照明、入浴時間、アロマ、寝具など工夫しました。
いつも頭にあったのは、「あれこれやってみる」ということです。
薬の調整は、かかりつけ薬剤師さんのアドバイスに基づいています。
その際に薬剤師さんに言われたのが、
「こうやってアドバイスしたことを実際に試してみるのは、私が見ている中ではケトラーさんと、後はお一人くらいですよ」
ということでした。
え!?そうなの?みなさん、生活になんの支障もないのかな・・・。
意外でした。
そのくらい、実際に行動に移す人が少ないということが。
試してみないと分からないのに。
障害になっているのは何でしょうか。
主治医に話す勇気がない?
変えてみるのが怖い?
なんとなく?
でも、分かる気もしました。
私も、かなり長いこと、頭の中で考えをこねくり回して感情を高ぶらせること(マインドワンダリング)に、大半のエネルギーを投入して、行動する前にヘロヘロになっていたからです。
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よく自分を表して言っていたのが、
「石橋を叩いて叩いて、渡るのをやめる」
でした。
ところが、マインドワンダリングは山手線と同じで、エネルギーは使いますが、ぐるぐる回るだけです。
もちろん、山手線が最重要路線なのと同じで、考えをめぐらせることは必要です。
ですが、マインドワンダリングに偏ったクセがしみつくと、大人になって社会との接点が増え、役割が増えるのと比例して、必要なエネルギーも増えていきました。
わたしの許容量を超えて。
例えば、わたしは高校から社会人はじめまで、8年間くらい日記を書いていました。
その日記で一貫して書いていたのが、「どうしたら私の性格をポジティブにできるか」というテーマです。
その考えを脳の隅から隅に行ったり来たりさせるだけでも、貴重なエネルギーは使われています。
脳の隅から隅に行ったり来たりさせていれば、いつか問題は解決すると、なんとなくそう思っていました。
うつ病の治療の過程で知ったのは、「原因を突き止めれば解決する」という思考は、内省心理学というマインドセットだということでした。
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いま冷静に振り返ると、それでわたしの問題が解決するとは思えません。
それでも当時は切実でした。
それは、わたしのカラダが、「うつ病」という形でその生き方にストップをかけるまで続きました。
理容師の妻のお客さんの話です。
そのお客さんは、頭のかゆみが悩みでした。
頭皮の状態を見ると、明らかに脂分の取りすぎで乾燥状態。
普段使用しているシャンプーを聞くと、大手育毛系のシャンプーとリンスでした。
まずリンスをやめて、脂分を取りすぎないシャンプーに変えることが大切です。
そうアドバイスしても、その方は「いや、でも、リンスをしないと髪がゴワゴワになるしなぁ」と、なかなか踏み切れない日々が続いているとのことでした。
実はゴワゴワになるのは、それくらい本来必要な脂分まで取ってしまっているくからなのですが、そこまで説明しても、重い腰はあがりません。
最終的には天然系シルクシャンプーを買ったそうですが、この方のように、既成観念が考え方に与えるプレッシャーは思った以上に強いです。
ちなみに、わたしはそのシルクシャンプーで紙、顔、体すべて洗っています。
顔も髪もわたし史上最高の状態です。
例えば、会うたびに同じ悩みを聞かされる経験ありませんか?
相手は会って話すことで一時的にガス抜きをしていますが、行動パターンは同じなので、またすぐに同じガスが溜まって同じガス抜きが必要になって、「悩みがある」と友人を頼ることになります。
仕事も同じで、行動するまでの助走のほんとーーーーに長いこと。
以前、東日本大震災の被災地で働いた時に、「あなたの会社は1年前から会議と同じ話をしている」と外部の方から言われて愕然としたことがあります。
会議、資料作り、調整、上司への説明、稟議・・・。
これは、思想家の内田樹さんの言うように「物事をあえて変えない」というフェーズでは、とてつもない力を発揮します。
ところが、素直にしなやかに生きようと思うと、最大の足かせになります。
書道家の武田双雲さんは、幸せ体質に変わるために必要なのは豊かな心と実行力だとおしゃっています。
常識から軽やかに離れ、新しい可能性を広げるには、自分で体感して納得する以外の道はありません。
わたしも「うつ病」という体感があったから、生き方を見直すことができました。
まずあれこれやってみて感じること。
他人からの前向きなアドバイスは実行に移すこと。
ただし、他人からのしめっぽい批評や批判は聞き流すこと。
息苦しいと思ったら、心の動く方向にまっすぐに、いますぐ目の前の3センチのハードルを飛んでみましょう。
コカ・コーラが飲みたいだっていいです。
ゲームがしたいだって。
一食抜かしたって。
どれも「体感」が残ります。
体感は積み重なって、あなたのカラダの芯になります。
思考だけが積み重なっても、頭の重りにはなりますが、カラダの芯にはなりません。
思考を昇華させるには、必ず体感するアウトプットが必要です。
断薬をしようと検索してこのブログにたどり着いたあなたは、すでにその一歩を踏み出しています。